
昔の屋形船の楽しみ方は、涼を求めるために、夏場に催されることが多いようでしたが、今では四季を通じて、昼夜を問わずたくさんの楽しみ方があるようです
屋形船では、船内に調理設備が揃っていますので、そこで料理人が進行具合に合わせて、料理をお出しします。船宿によっても多少は異なりますが、通常はお刺身と天ぷらをメインとして、小鉢数点とご飯ものと汁物、デザートといった7〜9品ほどの料理が一人前ずつのお膳で出されます。刺身は船盛になっている場合もあり、天ぷらは一人ひとりのお皿に配っていきます。季節によっては鍋料理になることもあります。特に刺身は切り立て、てんぷらは熱々の揚げたてといったように、その場で調理をしたものを食することができ、味も量も十分満足できるものです。船宿によっては金額に応じた複数のプランを用意しています。予算をアップすれば、その分豪華にすることもでき、利用形態によって料理内容の相談にも応じてくれるようです。近頃では、今までの日本料理だけではなく、「焼肉」や「もんじゃ焼き」といった今までとは違った料理を出す屋形船もあるようです。家族や仲間で鉄板を囲んでワイワイと、食べ盛りのお子さんがいる家庭や学生さんなどの若い人たちにとってはよいかもしれませんね。
料理の中でお刺身と天ぷらはメインとなりますが、屋形船が運航される地方や場所によって、それぞれの特色を出すために地物の食材を使うことが多いようです。東京の屋形船では特に江戸前と呼ばれる「キス・アナゴ・えび」といった食材を使い、カラッとした天ぷらに仕上げます。江戸前とは東京湾全体で主に獲れる魚介類(アナゴ・ハマグリ・シャコ・たこなど)を指します。江戸時代、たくさんの川が東京湾に流れ込み、栄養豊富な漁場として栄えました。昭和になり、水質汚染などで魚が住めない海といわれた時期がありましたが、ここ数十年の間に水質が改善され、たくさんの種類の魚介が生息し、今では釣りも楽しめるほどの漁場になっています。それに伴い江戸前寿司や江戸前佃煮といわれるように江戸前という言葉も復活し使われるようになりました。現在東京には日本一の取扱量を誇る東京の台所といわれる築地市場もあり江戸前の魚介類に加えて新鮮で多種類の魚も揃っています。お皿に揚げたての天ぷらを一つ一つ乗せてもらうと、思わずすぐに箸を伸ばしてしまいます。なかなか出会う機会の少ない「江戸前」の食材、ぜひ一度味わってみたいものです。
屋形船といえば、刺身に天ぷらといった日本料理が定番ですが、「焼肉」や「もんじゃ焼き」というメニューを提供する屋形船もあります。焼肉やもんじゃ焼きを取り扱っている屋形船は、普段は貸切(人数が揃えば貸切も可能)ではなく乗合となり、食事を頂く場所もテーブル席となります。事前に予約が必要です。特に「焼肉」はお子様から若い人まで幅広い人気があります。もちろん食材は吟味したものが用意されています。船の上でバーベキュー風にというのも、普段お店と食べる焼肉と雰囲気も違って楽しいかもしれません。料金は通常の屋形船と同程度となります。「もんじゃ」は東京下町の代表的な食べ物といわれ、昔から庶民の間でおやつ代わり食べられていていました。B級グルメの全国的な流行で、この「もんじゃ」も全国区となり、都内には「もんじゃ」専門のお店も数多くあります。粉を溶いた生地に具材を入れたものが「もんじゃ」の材料になります。一般的な造り方になりますが、混ぜ合わせてものの「具」のみを温めた鉄板の上に乗せ、具材に火が通るまで炒めます。その後炒めた具材で中心を開けた土手をつくり、生地の1/3を土手の内側へ流しこみます。生地が透き通ったら、土手の具材と混ぜ合わせます。これを3回ほど繰り返し、鉄板に均等に広げます。もんじゃ全体が透き通り、少し焦げてきたら食べごろとなりますので、箸ではなく「ヘラ」を使って食べます。少人数の友だち同士や家族づれなどに喜ばれ、特にお子様には大人気のようです。料金は通常の屋形船に比べて半額程度なリーズナブルな値段設定となっています。
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